自然に抱かれて (カラスの場合)

2020.09.10 Thursday

0

    故郷の目覚めは、いつも小鳥のさえずりです♪ ひとときの微睡(まどろみ)はささやかな贅沢。マル・ロク・マル・マル(0600)に「総員起し」がかかります。同時にカーテンを開ける。用便と洗面を済ませ、先ずはご先祖様にご挨拶。ヴィヴァルディを聴きながら、緑の山々や日々成長する子供たち(パパイヤ畑)を眺めつつ一杯のコーヒーを味わう。讃岐の山荘にゆったりとした時間が流れます。暫くすると、脳と五臓六腑が徐々に動き出すのを実感する。至福の時です。

     

    太陽が顔を出す頃になると、「オハヨー・オハヨー」の声が聞こえます。初めて聞いたときは「誰か訪ねてきた。早く身づくろいしなきゃ」と思った。しかし耳を澄ますと、どうもこの声は上の方から来ているようです。なんだろうと窓を開けて見ると、我が家の守護神(みたいな存在)であるカラスくんだ。未だ名前はつけてません。でも本当に毎朝「おはよ〜」って啼くんだよ。ちょっとハスキーでなまってるけど。

    暖かい季節になると毎日出没するヤモリとデカ蜘蛛(最大級は10センチくらい)は、守護神と言うよりも私がいないときの家主です。当主がいない時には、我がもの顔で家の中を跋扈しているはず。ある時などこのヤモリが、畏れ多くもご当主様の頭の上に飛び降りてきおった。都会育ちの人だったら、キャーって失神するだろね。今日ではややこしいペットを飼ってる人が結構いるけど、そんな人は田舎で生活することをお勧めします。わざわざお金を出して買わなくても、そこら中ペットだらけです。私の場合は、謂わば共存ですな。

     

    カラスが堅いクルミや銀杏などを割るときは、木の上から道路に投げて車が通過するのを待つ。これは実際の映像があり、有名な話ですね。私がトラクターや草刈り機を使うと、後方2〜3メートルには常に1〜2羽の烏が追随します。私の仕事時間は、彼(彼女)らのお食事タイム。そう、草の中からバッタやネズミやカエルが、飛び出してくるのを待ち構えている。人間で言えば、上等のステーキが食卓に並ぶようなものかな。カラスは知的であると同時に、とてもどう猛な肉食の生き物です。そういう意味では、人間と似ている。でもチョットと間が抜けている所もあって、地上に降りてると直ぐそこに居るバッタなどを見つけられないことがままあります。トラクターの上から「そこだそこだ!」と指してやるのですが、高い所でないと鳥瞰は利かないみたい。

    副将軍の黄門様がドンパチ(悪人への懲らしめ)を制するときは、必ず少し高いとこに位置して「助さん格さん、もういいでしょう」とやりますよね。この少し高い所がツボです。物事を俯瞰する時には、目の位置を高い所に置くということ。これは、所謂「上から目線」とは違います(水戸殿の場合は上から目線です)。カラスは賢いけれど、そこんところはチョット分かってないな。

     

    家のすぐ裏に田畑があるので、食材(野菜)の切れ端や剥いた皮などが溜まると、そのまま地球(大地)に還します。田舎のことですから特別な加工など必要ありません。ただポーンと投げるだけ。時には、魚の骨や肉の脂身など残飯もあります。これらがお椀に一杯程度溜まると田圃に撒くのですが、私が家の中に入るころには(所要時間は数十秒)もうカラスが舞い降りてきて餌をつついてます。どこで見てるんだろう。監視されてるのかな〜。そんで、(カラスが)これはと思うものは、咥えて違う場所に持って行きます。その場で食べても誰も邪魔などしないのですが、おそらく獲物を他の動物や仲間に取られないよう、本能がそうさせるのだと思う。調理してない野菜など、草食系には全く興味を示しません。カラスは贅沢で美食家なんですよ。子供の頃に飼っていた鶏は、卵の殻を喜んで食べていた(謂わば共食い)と記憶するのですが、彼らはスルーします。理由は知らないのですが、鳥類としての矜持みたいなものがあるのかな〜本能的に。肉食なら裏庭でちょろちょろして目障りなトカゲも獲って欲しいのですが、相手の動きが速くて手に負えないらしい。トカゲを咥えているのは見たことがありません。頭がいい割には、意外と鈍くさいんです。脳みその皺と身体能力は、必ずしもリンクしない。

     

    小生はお一人社長ですが、地元の大手電力会社さんと大変懇意にして頂いております。社長が、私の講演に興味を持って下さったのがご縁です。或る日、この会社の役員数人と一緒に食事をしていた時、話題がカラスに及びました。それまで全く知らなかったのですが、電力会社にとってカラスは天敵なんだね。年間どれ程の被害を被っているか、という話でした。カラスが電柱にある変圧器(?)の辺りに巣を作って子育てをするらしい。その際、何処で調達するのか分からないが、針金でできたハンガーを使うとのこと。すると毎日のように何処かで停電が起きて、その都度電力会社は出動を余儀なくされる。勿論、被害は四国に限らず全国どこも同じらしい。全国の電力会社が競って対策を検討しているらしいのですが、未だこれと言った妙案は見出されていないとのこと。もし有効な手立てを発明・発見すると、日本中の電力会社が泣いて喜ぶでしょう。街中のごみ集積所も同じですね。これは絶好のビジネス・チャンスだ! 因みに、電線を地下に埋めるのには莫大な費用がかかるとのこと。

    たまたま本席(役員との食事会)に、私の友人(在京の某社長)が同席していたのですが、彼の目が一瞬キラリと光りました。彼はここ数年、某大学の有名な教授(カラス博士)と共同してカラスの忌避剤を開発しているとのこと。実験を何度も繰り返して、実用化は近いらしい。この方は文系の出身ですが、物事をとことん詰める性格です。間もなく彼は、電力会社からノーベル・カラス賞を受賞すると思う。

     

    カラスには全く罪はないのですが、私の郷里では昔、カラスが頻りに啼くと不幸があると忌み嫌われてました。あの黒装束で、かつかすれた声でガーガーやられると、右翼の街宣車みたいで気持ちがいいものではないですな。子供の頃に推理したのは、荼毘に付す時に生じる(煙の)臭いにカラスが反応していると思った。妙なことに気が回る小学生。コナンみたいだ。周りの大人が、そう言ってたのかもしれません。

    つい先日のこと、屋根の上で奴らがギャーギャー・キャッキャ騒いでた。でも、いつもの啼き声とはチョット趣が違うぞ。空気がちゃう。「おまんら、なんしょんな(標準語訳:君たち、何してるの)?」と鳴き声の方を見ると、二羽のカラスが喧嘩してた・・・多分。上になったり下になったり。「あららっ、そういうことは人目につかんところでせんかい」と老人が毒づく。でもチョット待てよ、カラスも種を残すために懸命なのだ。歳よりの余計なお節介だな。そう思うと、むしろ微笑ましい光景ではありました。

     

    その夜、妙な夢を見た。恐竜大のカラス、名前は知らないのですが(恐竜)図鑑などにありますよね。あんな感じです。そのカラスが、人間の言葉みたいなのを流ちょうに喋っている。人間は遂にカラスの軍門に下ったか? カラスの支配下にあるみたいです。そのカラスが、嘴(くちばし)で私の頭をツツキながら偉そうに言うんですよ。「お前のオハヨ〜はなまっとるぞ」って。白髪頭から血がにじんで、涙目でカラスを睨みつけるが・・・ク〜なさけない。そこで目が覚めた。あぁ頻尿で良かった。危うく頭をかち割られるところだった。

    でも国が亡くなるってことは、そう言うことなんです(ちょっと違うけど)。単に、領土・領海・領空が無くなり、地図の色が変わるだけではないんです。日本の文化が無くなり、歴史が無くなり、そして言語(日本語)が無くなると言うことなのです。そこを覚悟しなければならない。日本人よ、それでエエのかってことです。

     

    内外の情勢を垣間見るに、我が国は今、国家存亡の危機、岐路に立たされています。しっかりせんかい!

     

    【眦菁郢襪離フィシャル・サイト】

    http;//www/umihiro.jp

     

    博海堂

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

     

    コメント
    コメントする