野村監督

2018.03.29 Thursday

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    少し前になりますが、某テレビ番組に野球の野村さんが登場して、沙知代夫人の思い出などを語っておられました。ご夫妻の過去の映像や野村さんの言葉から、お二人が互いに信頼しておられた様子がにじみ出ており、ホノボノとしてとても心温まる番組だったと思います。

     

    話は変わりますが、防衛省・自衛隊では年に一回高級幹部会同という大会議を市ヶ谷の防衛省で行います。この会議・会同には全国から陸海空の将星と高級官僚が集まって、現下の情勢などを議論するとともに、各種の案件について頭揃えを行います。防衛大臣は勿論のこと、最高指揮官である内閣総理大臣が出席して訓示を述べます。会同の二日目には、皇居に参内します。

    因みに、決して嫌みを言うわけでも非難するわけでもないのですが、私が承知している限りにおいて、過去にこの会同をパス(欠席)した最高指揮官が一人おられました。「やむに已まれぬ他用」がおありになったのでしょう。

     

    話が横に逸れました。

    さてこの会同では、毎回著名なゲスト・スピーカーをお迎えして講演をしてもらいます。現役時の或る年に、野村さんの話を聞きました。先日のテレビ番組を観ながら、その講演を思い出しました。およそ一時間の講演で、野村さんが何を話されたのかよく覚えてないのですが、「長嶋は向日葵(ひまわり)俺は月見草」とおっしゃったのは記憶してます。彼の有名なセリフですから。

    もう一点、私がノートに書きつけた野村語録があります。次のような主旨のことを述べられました。

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    監督をやって成果が出ると、ポツポツ講演の依頼が来るようになった。しかし、これを受けて良いものかどうか悩み迷ったので、知人の草柳大蔵さん(高名な作家・評論家)に相談した。すると草柳さんは「あなたは功成り名を挙げたのだから、ドンドンおやりなさい」と。続けて「但し、次の二つを注意しなさい。まずあなたは、野球以外のことを話してはいけない。野村の話を聞きに来る人が何百人いようが、あなたの口から国際情勢がどうだとか日本経済の将来だとか、そんなことを期待して来ている人は一人もいない。あなたから、野球のことを聞きたくて足を運んでくれているのです。だから野球のことだけを話しなさい」。「そしてもう一点、決して一夜漬けの知識で話をしてはいけませんよ」。

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    本題(野球の話)に入る前の、この冒頭の言葉は「目からうろこ」でした。慌てて要点をノートに書きつけました。草柳さんも野村さんも、やはり凡人ではないと痛く感心しました。10年ほど前の話です。私も時々人前で話をする機会がありますが、いつも野村さんの話を肝に銘じて準備することにしております。しかし時には受け狙いで、或いは多少でも自分を大きく見せたいがために、にわか勉強の知識を披露したいとの誘惑にかられることがあります。そんな時にはいつも、野村さんの言葉を思い出して反省します。

    草柳さんは監督ご本人ではなく、沙知代夫人の友人(知人)だったとのことですので、番組で上述のエピソードがでるかな・・・とテレビを観ていたのですが、放映された中にはありませんでした。

     

    話が前後しますが、防衛省大講堂の舞台の袖からヒョコヒョコと出てきて、野村さんが放った第一声、と言うよりもボソッと「場違いなところに来た」と。まずこの一言で聴衆の心を掴み、我々は自然と彼の話に引き込まれていきました。大変よく勉強しておられると感心するとともに、野村さんはツボを押さえるのが上手な方だと思いました。

     

    番組で野村さんは、沙知代夫人の助言と尽力のお陰で、話下手の自分が講演に堪え得る能力を身につけることができた、と言っておられました。報道される上っ面だけ見てると、(沙知代)夫人が過度にメディアに露出して、旦那(野村監督)の足を引っ張っている。そんな印象・イメージがありましたが、実態は全く違っていた。夫人が発する言葉は、チャラチャラしているようにも聞こえましたが、実はとても献身的な女性で「野村を男にした」賢夫人だった。

    番組の最後で朴訥な野村さんが、噛み締めるように「(沙知代夫人には)感謝の言葉しかない」と言い切ったのがとても印象的でした。

     

    如何なる階層においても夫人の在り方は難しいのですが、もう少しまともな議論ができないものかと思う。日本人の劣化と言えばそれまでですが、昨今の国会や報道を見ていてつくづくそう思います。

     

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