教育ってなんだろう

2019.09.12 Thursday

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    私は「学校教育」については門外漢です。ただ現役時代に数年間ですが、海上自衛隊の人事と教育に携わった経験がありますので、全くの素人という訳ではありません。加えて、帝國海軍も海上自衛隊も組織自体が「人造り教育」という側面がありますので、40年間の現役生活では学校の先生や教職員と同じような発想をしていたかもしれません。

     

    先月、ある財団が主催する「地球こどもサミット2019」と題する会議が、都内において開催されました。この会議は今年が2回目で、今年のテーマは「僕らの地球〜海洋プラスチックごみを考えよう!」という、極めてタイムリーな議題でした。初回の昨年は、「フードロス」について子供たちが議論したとのことです。午前の部は全国から選抜した高校生(各県代表1〜2名)が、上記主題について議論しました。午後は日本を含め16か国の小中学生が円卓に着いて、同じテーマについて意見交換を行いました。子供たちは、それぞれのお国事情を踏まえて意見を開陳しました。先に議論を終えた高校生たちは、隣の部屋で後輩たちの様子をモニターしました。

     

    一言でこの会議を評価すると、とても良く構成された素晴らしい会議だったと思います。発案・企画から諸準備そして実施まで、更には来年度以降に向けた爾後の分析から教訓の摘出まで、汗をかかれた理事長や事務局の皆さんには頭が下がります。私は参加する生徒さんの募集など、ほんの少しですがお手伝いをしました。

     

    各県代表の高校生は、全国の SGH(Super Global Highschool)に依頼して代表選手を推薦して貰いました。自分がやったかのような言いぶりですが、事務局から聞いた話です(笑)。恥ずかしながら、そもそも SGH なるものの存在を知りませんでした。高校も進化してるんですね。私の郷里である香川県には未だSGH認定校がないということで、事務局が私に人選を一任してくれました。我田引水かつ贔屓ではあるのですが、先ずは此処だろうと母校に生徒の推薦と派出を打診しました。教育現場の事情など全く知らない、部外者の無茶ぶりです。勿論、良かれと思ってお願いしたのですが、学校当局からは「夏期講習」が理由で丁重に断られました。おそらくは講座以外にも理由があり、総合的に判断して決心されたものでしょう。

    私には県下の高等学校に人脈がありませんので、母校の校長も経験し教育事情に明るい後輩にお願いして、他の高校を紹介して貰いました。しかし豈図らんや(あにはからんや)、いずれの学校からも前向きな回答は得られませんでした。私としては全くの意外でした。時間に余裕がないため若干焦ったのですが、この後輩校長が「SGHではないのですが、県内に一校、SSC(Super Science Highschool)というのがあるので打診してみては如何ですか」と教えてくれました。早速、校長にメールを送って検討をお願いしたところ、「一名推薦します」との吉報あり。蓋を開けてみると、この一名(女子生徒)がとんでもない生徒でした。良い意味ですよ。失敬ながら、瓢箪から駒とはこのことです。彼女は既に”海のごみ問題”についてかなりの知識を有しており、従ってモチベーションは高く、全国の SGH 生徒に全く引けを取らないばかりか、むしろ会議でイニシャティヴを取れると確信しました。結果は、私の期待を裏切らない活躍ぶりでした。

    彼女が学んでいる学校は高松市立第一高等学校、多くの人材を輩出している歴史のある学校です。帰郷時(事前)に校長・教頭と懇談しましたが、教育に対する考え方や理念を共有することができました。

     

    長々と例を挙げましたが、今からが私の言いたいこと(本旨)です。以下は、個々の学校や生徒、またそれぞれの教育現場でいろんな事情があると察しますので、決して、私の提案に対して negative だった学校や関係者を批判したり非難するものではありません。私の教育に関するケース・スタディに過ぎません。念のため。

     

    CASE 1 推薦できる生徒が存在するにも拘わらず、夏期講習などの受験勉強が理由で、先生(管理者)の判断で断った場合:

    全国レベルの会議、しかも特殊な案件の議論に参加するためには、それなりの準備が必要になるでしょう。事務局は極力、参加者に負担をかけない募集要項にするよう努めておりましたが、生徒によっては一週間程度、受験勉強から離れることを余儀なくされるかもしれません。その一週間のブランクが災いして、仮にその生徒が第一志望校に落ちたとします。私はそれでもいいと思う。高校時代に全国から集まった各県の代表選手(生徒)と議論したという経験は、その生徒にとって第一志望校入学に勝るとも劣らない、将来の大きな糧と財産になると思う。全国にあまたいる高校生のなかで、ごくごく一握りの生徒だけが経験できる貴重な機会なのですから。その折角の機会を、先生が断ったことになります。

     

    CASE  2 希望者を募ったが、誰も手を挙げなかった場合:

    建前であるにしても「希望者がおりません」が主な理由では、先生としても管理者としてもお粗末です。自らの職責を何ら果たしていない(と私は思う)。これでは、提案した側(私)と対象者(生徒)の単なる仲介者になってるだけ。そういうのを、我々の業界用語では「伝声管」と言います。もし先生自身が「こんなもん下らん」と判断するのであれば、(生徒には罪な話ではありますが)それはそれなりに納得できます。そうではなくて、先生自身は良い企画だと判断するのであれば、仮に「我が校の生徒では能力的にちょっときついかな」と思っても、前向きに検討するよう生徒を誘導・指導すべきではないか。生徒の可能性を信じて、教え導くと言うこと。そのためにこそ、存在している教育者ですから。

     

    CASE 3 モンスター(保護者)を忖度する場合:

    現在の日本社会ですから、残念ながらこれはありそうなシナリオです。我が子が受験の大事な時期に、貴重な時間を割いて、訳の分からんことに浪費するのは反対だ。そう考える保護者は結構いそうな気がする。さてそんな時、先生はどう対応する? それは当該先生の信念次第です。この生徒にとって良い機会なんだけな〜と思ってはいても、信念がなければ保護者を説得することはできません。何せ相手はモンスターなんですから(笑) 信念ある人は、保護者を説得する資料・材料が不足していると思えば、事務局に更なる情報の提供を求めるなり、自分で調べるなりするでしょう。そこまでやらないのは、信念がないということです。夏休みを前に降って湧いたような余計な仕事はしたくない、というお役人先生の心理も理解できないことはないですが・・・。

     

    CASE 4 教頭以下の学校職員が反対の場合:

    この場合には、拙著『指揮官の条件』を参照です(笑)。いずれの CASE にせよ最終判断と結果責任は、指揮官である校長にあります。生徒は手を挙げない、教頭以下の職員も反対の立場。自分もそれに同意であれば、それはそれで宜しい。しかし校長自身は、自らの経験と知識から、生徒の為にも学校の為にも生徒を推薦すべきだ(した方が良い)と思うのであれば、毅然として自分の考えや方向性を明らかにすべきです。但し、モンスターに「あんたのせいで、うちの子は東大に入れなかった」と文句を言われても、それは甘受しなければならない。加えて、「いえそうではありませんよ」と相手を納得させる、即ち反論できるだけの知識と信念を持っていなければならない。指揮官(校長)には、その能力と覚悟が求められます。

     

    些細なことですが(個々の生徒にとっては決して些細なことではないのですが)、郷里の生徒募集に関わって上記のようなことを思った次第です。個人的な思い込みかもしれません。しかし高校野球で甲子園出場となれば、卒業生や地元市民・企業から何千万(かな?)という浄財をかき集め、何台もバスを仕立てて応援に乗り込みます。ここで校長や教頭が「みなさんちょっと待って下さいよ。えっと〜・・・」なんて言ってたら、袋叩きに合うでしょう(笑)。でも甲子園に行くのと、全国規模の会議に参加するのとでは何が違うのだろう? 正直、私にはよく分からん。

    恨みで言うのではありません。しかし、大人(管理者や親)は、子ども(生徒)の目の前にぶら下がっている、それこそ降って湧いたような千載一遇のチャンスにシャッターを下ろしてはいけない。それぞれの教育現場には多々事情があり、私が知らない問題もあるでしょう。ですが、これだけは言える。お利口さんで、こじんまりした生徒(近い将来の大人)ばっかり作ってはいかんぞ。そんなことしてたら、この国はいずれ世界に太刀打ちできない国になります。

     

    高校生の終わり頃、かつて担任だった先生がパチンコに連れて行ってくれました。防衛大学校の合格祝いだったのかな〜その時のシチュエーション(状況)は忘れましたが、場所は高松瓦町の有名なパチンコ屋(笑)。両手に一杯ずつ購入した玉は、二人とも瞬く間になくなりました。That's all ! 青年将校(熱血先生)でした。お陰様で私は、お馬さんもボートも競輪もマージャンも一切やりません。ギャンブルと一緒にしてはいけませんが、株にも興味がありません。面白くない男ではあります。

    でも今こんな教育をやったら、モンスターにチクられて教育委員会や保護者会で吊し上げを食らうんでしょうな(笑)

     

    追伸 今回の会議(子どもサミット)に、在京の「中華学校」から2名の中学生が参加してくれました。彼らが流ちょうな日本語と英語で議論にジョインしてくれたこと、望外の幸せであり本当に嬉しかった。

     

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