PPK完結編

2018.01.18 Thursday

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    優秀な頭脳を持ち人間的にも立派でありながら、持てる力を国家や社会に還元することなく志半ばにして逝く人は多い。天命なので仕方ないといえばそれまでだが、本人や家族が不幸であるばかりか国家にとっても大きな損失です。政治家や経営者をはじめとする各界のリーダーが、或いはリーダーでなくても、健康体を維持するためにはそれなりの努力が求められます。健全な心身を保持することは、リーダーが具備すべき要件のひとつでもあります。昔から、健全な精神は健康な肉体に宿ると言われます。人間の体と心は基本的には一体です。

     

    現役の時、仕事柄多くの外国将官を見てきました。軍人ですから当然とも言えますが、彼(彼女)らに共通して言えることは、一様にスリムで肉体がしまっているということ。勿論例外はありますが、肥満児を目にするのは希です。なぜでしょうか?それは彼らが、多忙な仕事の合間を縫って、或いは毎日の生活の中で健康体を造る・維持する努力をしているからだと思う。先進国のエグゼクティブには、どこやらの国で見かけるような、酒の匂いをプンプンさせながら出勤してきて「いや〜昨夜は盛り上がっちゃって〜」などと言いながら、頭を掻いている風景はないと思う。少なくとも、私は一度も見たことがありません。彼らは基本的に、アルコールに強い体質だからかもしれません。これを要するに、リーダーの特徴は自己管理が徹底されているということでしょう。自分の体の管理さえできない者に、大きな責任を負わせることはできない。そういう暗黙の了解が社会に定着していると思う。

     

    私はエグゼクティブでもないしお金持ちでもないですが、私なりに続けている健康法があります。最近発見したのもありますし、20年近く継続しているものもあります。長くなるので詳細は省きますが、項目だけ列挙してみます。既にブログで書いたものが殆どです。悪しからず。

    因みに、よく「〇〇でダイエット」とか「〇〇やってると寿命が〇年延びる」とか宣伝しますが、そんなこたぁないでしょう。何か一つのことをやってる人は、大概いろんなことをやってる(のではないか)。テレビなんかを観て、そこのところを勘違いしてはいけないですよね。

     

    ・0700総員起こし(休日は1時間遅れの0800):我が家では起床は「総員起こし」、午前7時は「マル・ナナ・マル・マル」と言います(笑)

    ・内蔵のスイッチをオンにするため、ベッドで横になったまま簡単なストレッチ(特に腰のひねり)

    ・洗面、排便(小)して首や肩など回した後に再度ストレッチ

    ・約30分間の筋トレ(シャドーボクシング、スクワット、腕立て伏せ、腹筋、ダンベル、ロング・ブレス)

      Point 1:筋トレは週日(月〜金)のみ実施し週末はお休み(何事もリズムが大切)

    ・温かい飲み物(スープなど)をコップに一杯

      オリーブ・オイルを少々加える(勿論讃岐産)

          固形の朝食(所謂朝ごはん)は食べない

    ・各曜日ごとに決められたゴミ出しをした後に排便(大)

      20センチ長のバナナを確認する

    ・最寄りの駅まで徒歩30分(往復で1時間)

      極力外回りの用事を作為する

      道路を歩くときには、背筋を伸ばして三本先の電柱のてっぺんを見る(目線を仰角5度)

    ・状況(行先)により電車の乗り換えに伴う駅ナカ散歩

      原則としてエスカレーターは使用しない(階段利用)

    ・昼食は出先でパスタ+コーヒーなど

      外での飲料に白湯又は日本茶を持参する

      原則、間食(特に砂糖たっぷりのお菓子類)はしない

    ・夕食は野菜+魚又は肉+少量の炭水化物(ご飯又はパン)+アルコール少々

      ご飯とおかずは別々に食する(塩分、糖分控えめ)

      ご飯は50回、おかずは30回噛んでゴックン

          Point 2:家人の協力が得られるか否か(笑)

    ・食後、速やかに歯磨き(縦横表裏に約20分)

      3か月に一回歯科受診

    ・2400消灯(おやすみなさい)

     

    ・週に二回(月・木)体重及び血圧測定

      体重測定は体脂肪等を計測できるTANITA、血圧はomron

      Point 3:データーを記録する(このひと手間がモチベーションにつながる。同時に早期に体調の異変に気付く)

    ・月に一週間程度帰郷(讃岐)して晴耕雨読

     

    上記を基本として、年・月・週・日のリズムを作る。で、いつ仕事するの(笑)

    かくして一年があっという間に終わり、PPK(ぴんぴんコロリ)に向けてまたひとつ歳を重ねる。一年はやいな〜!

     

    ここまで考えて夢から醒めた(笑)。正月早々バカなこと言ってますが、今年も宜しくお願いしま〜す!

     

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    北方領土

    2018.01.04 Thursday

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      明けましておめでとうございます。お屠蘇気分に冷水をかけるような話で恐縮です。

       

      北方四島は納沙布岬と知床岬の東方、北緯43度20分から45度30分に位置する。北方四島と聞くと、土地勘のない人は歯舞・色丹・国後・択捉の四つの島と思いがちだが、歯舞は水晶島や志発島などからなる「歯舞諸島(群島)」である。日本がアジア大陸を扼する三海峡(宗谷・津軽・対馬)を手中に収めているのと同様に、オホーツク海と太平洋を分け千島列島の一部である北方四島は、ロシア太平洋艦隊にとって極めて重要な意味がある。

       

      納沙布岬からのぞめば手が届くほどの距離にある歯舞・色丹の安全保障上の価値は、国後島・択捉島、特に択捉に比べるとさほど高くはない。色丹水道や歯舞諸島の水道は可航幅が狭く、水深も20メートル以下で多数の浅瀬が点在しているため大型の艦船は航行できない。勿論、小さな島や岩であっても排他的経済水域(EEZ)などを考慮すれば、その島がいずれの国(日本又はロシア)に帰属するかは、大変重要なことであることは論を待たない。ここで言うのは比較の問題である。

       

      かつて(冷戦後の1993〜96年)北欧ノルウェーの日本大使館で勤務していたとき、国際問題研究所の若い研究員と親しくしていた。あるとき彼が「貴国の北方領土は返ってくると思うか?」と私に訊いた。私は即座に「もし自分がロシアの太平洋艦隊司令官であれば、絶対に手放さない」と応えた。海軍軍人であれば、誰だってそう思うだろう。オホーツク海では、SLBM(潜水艦発射型大陸間弾道弾)を搭載したロシアの原子力潜水艦が睨みを効かし、アメリカと対峙するロシア核戦力の一翼を担っている。この海はロシアにとって、まさに神聖にして侵すべからず。聖域なのである。従って、日本にとってこの問題(北方領土の返還)は大変難しい。

       

      世界の常識として、民族の血を流して得た土地は絶対に手放さないと言われる。終戦間際のドサクサに紛れて不法に占拠された日本の領土だが、我が国がこれを取り返すのは容易なことではない。先の大戦に敗北し、もし日本がアメリカではなくソ連に占領されていたならば、今頃我々はロシア語を話しているに違いない。勿論、日本の歴史は書き換えられている。GHQは日本を骨抜きにしたが、逆にバリバリの民族ができただろう。沖縄や硫黄島を返還したアメリカという国は、そういう意味においては純粋かつ誠実な国であるとも言える。

       

      ロシアの視点を踏まえると、日本が北方領土を再び手にするのは大変厳しい。そもそもロシアは、不法に占拠したとか、いずれ返還しなければならない土地、などとは露ほども思ってないだろう。なにせ相手は、50万の日本人を極寒の地に連行して奴隷の如く扱った国である。しかも、連れ去った民間人さえ「捕虜」と言って憚らない。とにかく、我々が考えるような尋常な相手ではないのだ。

       

      では日本は如何に動くべきか?

      先ずは国際政治の場でロシアを我が国と同じ土俵に乗せること。相手の不法性を訴えて、返還を要求し続けることである。そのための引き出し(策)は多いほどよい。最も有効な引き出しは、彼我の国力差である。国力の定義は難しいが、勿論経済力だけを指すものではない。クラウゼヴィッツは言った「戦争とは他の手段を持ってする政治の継続である」。この言葉を単純に、武力で取られたものは武力で取り返すと解釈してはいけない。ドラエモンの引き出しには、当然のことながら「軍事力(国防力)」もあるということだ。

      領土問題は妥協したら終わり。何千年かかろうと、日本民族が最後の一人になっても戦い続ける(返還を求める)。領土を取り返そうとする我々日本人には、その覚悟が求められているのだ。機が熟するのを待つ忍耐も必要。東西の冷戦時代、誰がソ連の崩壊を予期したか?世界の情勢、そして国際政治は常に動いている。

       

      方法論としては、取り敢えず二島返還という考え方もある。しかし、私はこの案には与しない。歯舞・色丹の奪還は、肉を切らせて骨を切ることにはならない。むしろ、それこそ我々が相手(ロシア)の土俵に乗ることになる。歯舞・色丹を手放しても、ロシアが痛手を被ることはない。国家間の約束や合意は、信義に反して反故にされることもあり得る。外交上のテクニックはあろうが、基本的には一括返還でなければならない。

      諦めてはいけない。妥協してはいけない。そうでなければ、故国を想い望郷の念にかられつつ、シベリアのツンドラに没した何万同胞の霊は浮かばれまい。

       

      シベリア帰りの亡父が晩年、絞り出すように言うのを一回だけ聞いた。「やっとの思いでナホトカにたどり着き、引き揚げ船に乗る直前に息を引き取った男がいた」。「岸壁の母」は、虚構(歌)の世界だけではないのだ。夢にまで見た故山:博奕岬(舞鶴)を目にすること能わず。嗚呼!

       

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      本年も宜しくお願い申し上げます。

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

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